香港のさまざまなスポットを特集しています
香港生活をエンジョイしている人たちにお話を伺いました
テーマ別に話題を掘り下げていきます
引越にまつわるお話あれこれ

Vol. 41 - 2005年6月号
香港で楽しむサーフィン
「十年一昔」:戸崎悦子さん 気がつけば香港在住10年以上…
香港で楽しむサーフィン
平日は爽やかサラリーマン、
でも週末はタフなサーファー。

日焼けした肌がワイシャツに映える小泉毅郎さんはサーフィン暦10年、コクヨに勤める駐在員だ。昨年の結婚を機に、香港配属となった。以前は深セン駐在だったため、週末ボードを抱えてサーフィンのできる香港に通ったそうだ。羅湖の入境審査では大きな板が奇異に見えるのか質問攻めに会うなど苦労は多かった。香港は恵まれていて「結婚してくれた妻にも家族持ちを安全な香港住まいにしてくれた会社にも感謝している」と、素直に喜びを語る。

 香港のサーフィン・スポットは二箇所。ともに大浪湾という。アクセスがいいのは石澳の大浪湾。タクシーで乗り付けてサーフィンできるのは香港ならではだ。波がいいのは西貢の大浪湾だが、サンパンボートに乗った上、ボードを担いで40分も山歩きをしなければたどり着けない。並みの体力では楽しめない場所だ。

 二十歳の学生の頃、友人に誘われて湘南の海で始めたのが最初。「軟弱そう」というイメージを持っていたが、波にもまれた時の洗濯機に投げ込まれたような鮮烈な刺激で開眼した。2日目にはボードに立てるようになったが、「落っこちて波に巻かれるたび、苦しいけれど征服欲が出てくる」ことがサーフィンを続ける原点だ。波との格闘が激しいほど、乗りこなしたときの爽快感は大きい。

 サーフィン技術はそう簡単に上達しない。二度と同じ波は来ないので、回数をこなし、あらゆる波に乗るチャンスを待ち続けるしかない。そのための知識として、気象関係に詳しくなる。サーフィンには陸から風が吹いているか、無風の状態が必要だ。早朝がいいのは、無風、もしくは陸地が太陽熱で温まり、陸から風が吹き始める時だから。更に、地理的な要素にも目が行くようになる。太平洋側なら東に向いたビーチのある、台湾やフィリピンに絶好のスポットがある。一方、インド洋に向いた地域ならスリランカやバリ島など西側のビーチに波が立つ。もっとも季節で条件は変わる。例えば日本海は、低気圧が発達して冬に波が立つ。雪の降る日本海で震えながら波乗りしたあと、温泉に入って日本酒を飲むのはたまらない楽しみという。

高い波が打ち寄せる西貢の大浪

技術のほかにマナーも大事だ。どこの海にも地場意識を持つローカルがいるので、彼らのルールに従う。スピードが好きで、海の男でもあるサーファーの中には気の荒い人もいて、マナー違反はつるし上げを食う。その点、香港はとてもフレンドリー。陽気なオーストラリア人なども多く、よそ者にも開放的だ。だが、ドロップ・インと呼ばれる横入りをまったく悪いと考えない人もいるのが、ちょっと問題だそうだ。

 波を求めてどこでも行くサーファー。海外の辺鄙な海に長時間かけてたどり着くのはもちろん、香港では台風警報3から8の間に、海に入ることすらある。怪我の多い、ラフなスポーツだ。そんなサーファーの多くは個性的で海で知り合ってもグループで行動することはあまりない。でも、小泉さんが香港で知り合ったサーファー仲間に、48歳になる日本企業の経営者がいる。飄々とサーフィンを楽しみながら仕事でも実力を発揮するその生き方は、あこがれであり目標だ。サーフィンを自分へのごほうびとして、仕事への活力にしていきたいと語ってくれた。


「十年一昔」:戸崎悦子さん 気がつけば香港在住10年以上…

「香港が私を育ててくれた」

華やかな笑顔でインタビューに答えてくれた戸崎悦子さんは、パソナ・アジアをまとめる常務董事。女性の社会進出が目覚しい香港でも、40代でこの地位に上り詰める人は少ないのでは、と問うと「とんでもない。私は全員年下の社員をまとめる母親のようなもの」という返事。確かに、明晰な頭脳を覆い隠すように立ち上るのは、「頼れるお姉さん」のオーラ。つい相談事を持ちかけたくなるようなこの雰囲気は、どこから来るのだろう。

 いまの自分があるのは香港が育ててくれたから、と語る戸崎さんは、香港人のご主人と結婚するため渡港した。大学卒業後すぐ、就職経験もない、1981年のことだった。

 翌年には長女を出産。だが、舅や姑も一緒の生活で、最初の3年はほぼ一言も広東語を話さなかった。3年経った頃、突然広東語が口から出てきた。そしてこの頃、就職しようと思い立ち、職を斡旋してもらおうと尋ねたのが現在のパソナ、当時のテンポラリーセンターだ。そこで香港支店3人目の日本人としてめでたく採用が決定。「もともと素直なタチです」と認める戸崎さんに、創設社南部靖之氏じきじきの「人を活かす」という教えは深く沁みこみ、パソナ魂が育っていった。その後、シンガポール転勤や他社への就職と、様々な経験を経て、昨年、再度パソナに常務董事として迎えられた。

 香港と日本に精通する戸崎さんに、現地の人材と日系企業を結びつけるパソナの仕事は天職のように見える。が、文化を知るだけでは十分ではない。成功の秘訣は「日本人であることを忘れない」ことだという。日本人の考え方を忘れたら、この仕事で役に立てない。日本人に分かりにくいことは何かを理解してこそ、現地社会の知識を役立てた適切なアドバイスが可能になる。

 例えば香港女性は面白くなければ笑わない。愛想笑いは無い文化だということを知っているかどうかでも、日系企業の効率は変わってくる。更に、香港人の物言いは短刀直入。これをうまく活用できれば様々なアイデアが採れる。こういった知識をまとめて「駐在員の方々が現地の人と潤滑に働く方法」を主眼に、近くセミナーを企画する予定だ。もちろん、香港人に日系企業で働く心得を伝授するのも大事な仕事。そんなアドバイスが功を奏して「皆様の役に立てた」と感じられる瞬間が、次の仕事への原動力になるという。

 3人の子の母親でもある戸崎さん。アマさんがいる体制などを考えても、香港は女性が働きやすい文化だという。現在のアマさんは三代目だが「フィリピンに足を向けて寝られません」と、感謝の気持ちを忘れない。また、この春結婚した長女の相手はイギリス青年。結婚式の日に号泣しそうになったら、花婿の家族に「晴れの日だから」と諌められた。日本を離れて24年の戸崎さんにして、文化の違いはまだまだ学ぶことが多い。でも、「こうありたい」と思い描き、強く念じながら生きてきたら、それが実現してきたという。きっと、「人の役に立ちたい」と常に念じ、そこに香港という多文化の中に生きる母としての優しさが加わった時、「頼れるお姉さん」のオーラが出てくるのかもしれない。

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